諸行無常の響きあり

日々の出来事を思いつくままに綴ります

一日じゅう空を見ていた

若いころによく読んだ片岡義男氏の本

風景を綺麗に文字で描写して、そのなかでの

主人公の行動で心情的な機微を表現する。

頭の中に思い浮かぶ情景がとても新鮮で

常にさわやかな風が吹き抜けてゆく感じが

非常に強く印象に残っている。

短いストーリーであるにもかかわらず、

とても深い味わいがあった。

 

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氏の小説はオートバイが圧倒的に多く、

4輪を題材にしたものは少ない。

『ボビーに首ったけ』や『彼のオートバイ、彼女の島』、

『スローなブギにしてくれ』は映画化されている。

 

『1日じゅう空を見ていた』は主人公がオープンカー

の助手席に乗ってシートを倒して走らせてもらい、

一日じゅう空を眺めている話。

何かを吹っ切るためにそうしたい気持ちと、

それに協力してくれるパートナーの存在。

 

決して平穏ではないのだろうが、ほっこりとした

平穏な気持ちというか、心模様が伝わる小説である。

 

同じころにイラストでわたせせいぞう氏や

鈴木英人氏もよく見る機会があった。

ほっこり、ほのぼとした空気感が世間にあった。

 

GTロマン』という西風氏の漫画が

流行っていたのもその頃かな。

 

今よりは遥かに心豊かな時代だったと思う。

自分が多感な時期だっただけなのかな。